街行き村行き

今日は街へ、明日は村へ。その場所で思ったことを綴ります。

読書

【破滅的な芸術家の一生】楽園への道(マリオ・バルガス=リョサ ・著、田村 さと子・訳)

ポール・ゴーギャンはフィンセント・ファン・ゴッホと並ぶポスト印象派のフランス人画家として世界的に知られている。けれども名画の輝きとは対照的に、その生涯は破滅的な一途をたどるものだった。 本書はゴーギャンと、その祖母である革命家フローラ・トリ…

【気候変動問題のファクトフルネス】地球の未来のため僕が決断したこと(ビル・ゲイツ・著、山田文・訳)

ビル・ゲイツ20年ぶりの著作が出版された。 COP26開催のニュースが報じられる中、気候変動問題はいま最もタイムリーなテーマである。 しかし、議論が拡散するたびに”何が本質的な問題なのか”を見失いがちにもなる。 本書は、現状の課題をできる限り客観的に…

【発見の秘訣は情緒のバランス】春宵十話(岡 潔・著)

岡潔という関西出身の世界的数学者を知ったのは、つい最近のこと。 特に代表的なエッセイである『春宵十話』は、本のレビューサイトなどでもよく取り上げられていて、天才数学者の書くエッセイとはどのようなものだろう?と興味がわいた。 和歌山県橋本市生…

【ファミリー経営を長期戦略ベンチャーと考える】星野佳路と考えるファミリービジネスの教科書

星野佳路と考えるファミリービジネスの教科書日経BPAmazon 星野佳路と考えるファミリービジネスの教科書 (小野田鶴、日経トップリーダー 編集・構成) 「ファミリービジネス」という経営学上の用語を聞いたことがあるだろうか。 私は恥ずかしながら本書を読…

【ナラティブ・アプローチ実践】やる気を引き出し、人を動かす リーダーの現場力(迫俊亮・著)

全国に300店舗を展開する靴とバッグの修理店「ミスター・ミニット」の社長である迫俊亮氏の経営奮闘記。 ベンチャー企業のマザーハウスで経験を積み、ミニット・アジア・パシフィック社に入社。29歳で代表取締役社長に就任したときの経営状況は10年連続右肩…

【豪華新装版】センス・オブ・ワンダー(レイチェル・カーソン著 上遠恵子・訳 川内倫子・写真)

レイチェル・カーソンの晩年の名著「センス・オブ・ワンダー」が、新潮文庫より装丁を新たに出版された。 センス・オブ・ワンダー(新潮文庫)作者:レイチェル・カーソン新潮社Amazon カーソン氏の詩的な表現と呼応するように川内倫子氏の写真が散りばめられ…

【人気YouTuberの選書術】OUTPUT読書術(アバタロー・著)

低音ボイスの”ええ声”で名著を解説してくれる大好きなYou Tubeチャンネル「アバタロー」さんの初の著書。 私が初めてこのチャンネルに出会ったのは、確か岡本太郎氏の「自分の中に毒を持て」の20分解説動画だったと記憶している。 まるで岡本太郎が乗り移っ…

【タイムリーな話題作を読む】クララとお日さま(カズオ イシグロ・著、土屋政雄・訳)

カズオ・イシグロ、ノーベル賞受賞後の最新作。 4月の発売以来、本屋で見かけるたびに、ひまわりと女の子の可愛らしい表紙に名作感が漂っていて、ずっと気になっていた。 テーマは人工知能とヒューマニティということで、著者がどんな未来を描いてくるのか、…

【究極の普通の本屋とは?】ガケ書房の頃 完全版―そしてホホホ座へ(山下賢二・著)

ガケ書房の頃 完全版 ――そしてホホホ座へ (ちくま文庫)作者:山下 賢二筑摩書房Amazon ガケ書房の頃作者:山下賢二夏葉社Amazon ガケ書房という一風変わった書店の存在を知ったのは、私が高校生の頃のことだった。 友人に、ハンバートハンバートというバンドが…

【お掃除オバちゃんは投資家】投資家が「お金」よりも大切にしていること(藤野英人・著)

投資家が「お金」よりも大切にしていること (星海社 e-SHINSHO)作者:藤野英人講談社Amazon 「ひふみ投信」で有名な藤野さん。 日本でファンドマネージャーという職種の中では著名な方だが、本は一冊も読んだことがなかった。 そこで、そのその基本的な考え方…

【小さな独占からはじめよ】ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか(ピーター・ティール・著 関美和・訳)

ピーター・ティールは、「ペイパル・マフィア」の中の「ドン」らしい。 「影の大統領」などとも呼ばれているらしい。 そんな噂を聞いて、一体どんな人物なのだろうと興味が湧いた。 ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか作者:ピーター・ティール,…

【未来予測本を読んでみる】『2025年を制覇する破壊的企業』(山本 康正 著)

5年後の生活はどう変わっているか 2030年とか、2040年とか、未来予測モノが流行っているようだ。 本書はその2025年版と捉えて、新書ならではの手軽さもあって読んでみた。 2025年を制覇する破壊的企業 (SB新書)作者:山本 康正SBクリエイティブAmazon

【CF入門書】『決算書はここだけ読め! キャッシュ・フロー計算書編』 (前川修満 著)

キャッシュフロー計算書について学ぶ キャッシュフロー計算書に特化した入門書が読みたくて手に取ったが、これが大正解。 難しい会計用語を知らずともグイグイ読み進められる。 取り上げられている会社も、JR東海、東芝、王将など身近な企業ばかり。 著者が…

【簿記と会計の違いとは】『ストーリーでわかる財務3表超入門』 (國貞 克則 著)

簿記と会計の違い 簿記の基礎知識はひととおり学んでみたものの、何かがしっくりこない。 そこで会計の入門書をいろいろと手にとってみることにした。 本書は新書で大ベストセラーとなった会計入門書である「財務三表一体理解法」のストーリー版。 主人公が…

【井戸に潜るということ】『ねじまき鳥クロニクル』を再読する (村上春樹・著)

10年ぶりに再読して「井戸」について考える 初読は大学生の頃だったはずなので、約10年ぶりに読み返したことになる。 村上春樹の長編小説はカチッとしたあらすじがあるわけではないので、ストーリーや結末はほとんど忘れかけていた。 ただ、綿矢ノボル、加納…