街行き村行き

今日は街へ、明日は村へ。その場所で思ったことを綴ります。

【破滅的な芸術家の一生】楽園への道(マリオ・バルガス=リョサ ・著、田村 さと子・訳)

ポール・ゴーギャンはフィンセント・ファン・ゴッホと並ぶポスト印象派のフランス人画家として世界的に知られている。けれども名画の輝きとは対照的に、その生涯は破滅的な一途をたどるものだった。

本書はゴーギャンと、その祖母である革命家フローラ・トリスタンの生涯を追った物語である。 著者はラテンアメリカ文学の旗手であり、2010年にノーベル文学賞を受賞したマリオ・バルガス=リョサ。 フローラの没後にゴーギャンが生まれており、ふたりは存命中に知り合うことはなかったが、”人生の楽園を求めて旅をした”という点では、生き方に共通している部分がある。 リョサはこの点に注目して、奇数章ではフローラ・トリスタンを、偶数章ではポール・ゴーギャンを取り上げてひとつの物語を編纂した。

タヒチにゴーギャンの楽園はあったか

ゴーギャンは30代の半ばまで株式仲買人の仕事をしており、妻メットと5人の子をもつ裕福な家庭を築いていた。 当時は「ブルジョワ」と呼ばれる身分であったが、友人に絵を描くことを習い始めたことをきっかけに美学芸術へと傾倒していく。”絵を描くこと”に夢中になった彼は、仕事と家族を捨てて無一文なジプシー画家となり、”芸術家にとっての楽園”を目指して放浪の旅をはじめる。 パリからアルルへ移り、ゴッホと共同生活を始めるがうまくいかず、やがては活動の場を南太平洋諸島フランス領のタヒチ島に移して暮らすようになる。

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【気候変動問題のファクトフルネス】地球の未来のため僕が決断したこと(ビル・ゲイツ・著、山田文・訳)

ビル・ゲイツ20年ぶりの著作が出版された。 COP26開催のニュースが報じられる中、気候変動問題はいま最もタイムリーなテーマである。 しかし、議論が拡散するたびに”何が本質的な問題なのか”を見失いがちにもなる。 本書は、現状の課題をできる限り客観的に数値化して、ファクトを見極め、各分野において”技術による解決策”を論じていく。
まさに「ファクトフルネス -気候変動問題編- 」と呼べるような内容である。

彼はマイクロソフトで「世界中の家庭にコンピュータを」という果てしない野望を達成したときと同じように、気候変動問題についても取り組もうとしていた。

知っておくべき数値

気候変動について知っておくべき数字がふたつある。
ひとつが510億。もうひとつがゼロだ。

本書の冒頭の一文であり、最も印象に残るメッセージだ。

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【日帰りハイキング】曽爾高原へススキをみにいこう

10月中旬から気温が急激に落ちて、秋らしい気候になってきました。 紅葉シーズンにはまだちと早いが、季節を感じる景色は味わいたい。 そんな希望を叶えるため、ススキが見頃を迎えた曽爾高原へ行ってみることにしました。

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【歩いて片道40分】ファームガーデンから曽爾高原へ

橿原市から車で1時間ほど。 公式HPには、大阪からは1時間50分、名古屋からは2時間40分とあります。

曽爾高原ファームガーデンに着くと、ソフトクリームを持ったマスコットが出迎えてくれます。 この場所は駐車場も比較的広く、車を停めるスペースは十分にあります。

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ファームガーデンに着いたのは昼の14時頃だったでしょうか。 ススキ高原入口は野口駐車場が近いのですが、こちらは休日は大混雑ということでファーマーズガーデンから歩いてみることにしました。 グーグルマップによると、片道2.4km/40分。 がんばるぞ!

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【忘れられた歴史的フェスのドキュメントをみた】サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)

ブラックミュージックのドキュメンタリー映画が全国ロードショーなんて、いつぶりだろうか。 わざわざ京都や大阪に出向かずとも近所で上映されるということで、サクッと観に行ってきた。

時代はウッドストック・フェスティバルの行われた1969年夏。ジミヘンがアメリカ国家を自慢のストラトでかき鳴らしていたころのこと。 ニューヨーク・ハーレムでは黒人ミュージシャンのスターたちが集結し、30万人を動員するとんでもない無料開放フェスが行われていた。

フェスの名は「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」。
監督は「クエスト・ラブ」。

これだけの内容で、音楽ファンとしては見過ごすわけにはいかなかった。

▼映画チラシ

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スライ・ストーンとニーナ・シモン

まずは予告編をみてほしい。 ニーナ・シモンのポエットリーディングに対して、呼応する観客たちが異様な熱気を帯びている。

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【発見の秘訣は情緒のバランス】春宵十話(岡 潔・著)

岡潔という関西出身の世界的数学者を知ったのは、つい最近のこと。
特に代表的なエッセイである『春宵十話』は、本のレビューサイトなどでもよく取り上げられていて、天才数学者の書くエッセイとはどのようなものだろう?と興味がわいた。 和歌山県橋本市生まれ、晩年は奈良で過ごしたということで、今の私の住環境にも近く、親近感もあった。
1963年発行と半世紀以上前に書かれた内容だが、リズムよく読みやすく、また難しい仏教用語と独特の比喩表現とのギャップが妙に「カッコいい」とも思える随筆集だった。

学問は頭でやらない。情緒の中心でやる。

「人の中心は情緒である。」

本書で何度も繰り返し述べられる言葉である。

情緒という言葉は普段から使うことがないのでイメージしにくいが、情緒不安定という言葉は今でも使うことがある。 そこで私は、情緒を「情緒不安定の逆の状態」と理解してみることにした。

つまりは、「心が平穏を保っていて、その人らしさが発揮できている状態」と考えた。

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【ファミリー経営を長期戦略ベンチャーと考える】星野佳路と考えるファミリービジネスの教科書

星野佳路と考えるファミリービジネスの教科書
(小野田鶴、日経トップリーダー 編集・構成)


「ファミリービジネス」という経営学上の用語を聞いたことがあるだろうか。 私は恥ずかしながら本書を読むまでその存在を知らなかった。「ファミリービジネス」とは、日本語で言うならば「同族企業の経営」という意味に近い。

ファミリー企業というと、星野リゾートの全身である星野温泉旅館のような、いかにも家族経営のビジネスを想像してしまう。 けれどもオーナー経営者が率いる企業という視点で見てみると、日本の全企業数の96.9%がファミリー企業であるという推計もある。つまりは日本企業の9割以上はファミリー企業なのだ。

では、ファミリー企業と非ファミリー企業の違いは一体どこにあるのだろうか。

星野リゾートはモデル転換に10年かかった

従来の日本のリゾート事業者は、自分で「所有」する土地を、自分で「開発」し、自分で「運営」するという一人三役のパターンで経営してきた。けれどもバブル崩壊を経て、このパターンでは限界があるとみた星野さんは、1992年に「運営特化」という戦略を打ち出し、リゾート運営に特化した経営を目指すようになる。

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【ナラティブ・アプローチ実践】やる気を引き出し、人を動かす リーダーの現場力(迫俊亮・著)

全国に300店舗を展開する靴とバッグの修理店「ミスター・ミニット」の社長である迫俊亮氏の経営奮闘記。 ベンチャー企業のマザーハウスで経験を積み、ミニット・アジア・パシフィック社に入社。29歳で代表取締役社長に就任したときの経営状況は10年連続右肩下がりと散々たるものだった。そこからどのように立て直しを行ったのか。 答えはタイトルの通り、「リーダーの現場力」にあったのだ。

ナラティブアプローチの実践本

なぜ本書を手にとったかというと、『他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論 』(宇田川元一・著 / NewsPicksパブリッシング)で紹介されていたからである。

「他社と働く」を読んでナラティブ・アプローチの骨子は学んだつもりだったが、いざ仕事の現場に立ってみると、「では具体的に何をすればいいの?」という実践の部分で疑問が解消されない。 そこで、実際にビジネスの現場で奮闘している人の本を読みたいと思ったわけである。

迫さんは、いったいどのようにして、「組織の溝に橋を架ける」ことができたのだろうか? 本書にはそのヒントとなるアイデアがあふれていた。

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