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【ネット試験特化】日商簿記2級に一発合格するためにやったこと

日商簿記2級

先日、日商簿記検定2級のネット試験を受験し、無事一発合格することができました。 合格に至ったポイントは、2020年12月から導入されたネット試験(CBT方式)に特化した勉強法にシフトしたことだと振り返ります。

ネット試験については、商工会議所のQ&Aにある通り、「合格証は紙の試験と同等の価値を有する」と明記されています。

日商簿記検定試験(2級・3級)ネット試験について | 商工会議所の検定試験

ネット試験受験に関しては、多数のメリットがあります。

  • 受験日時をテストセンターの予約状況により自由に選べる
  • テストセンターが近所にある可能性が高い
  • 紙の試験のように勘定科目を手書きする必要がない
  • 合格率にブレが少なく、難易度が平準化されている

このような理由から、ネット試験を受験しない手はないと考え、これに特化した勉強法で望むことにしました。 具体的に、やったことは下記のとおりです。

順番に説明していきます。

教材をクレアールからパブロフ簿記に乗換えた

当初はYoutuber両学長もオススメしていたクレアールの通信講座で勉強していました。

www.crear-ac.co.jp

ちょうど3級も復習も兼ねて受講したいと思ったので、2,3級コースを申し込みました。キャンペーンで33,000円ぐらいでした。 テキスト、問題集に加え、講師の動画に過去問もついてくるので、当初は教材はこれだけで十分だろうと考えていました。

実際、3級の復習まではクレアールのテキストだけで全く問題がなく合格できました。 (学生の時に合格して以来、10年ぶりの受験でしたが、難易度は上がっていると感じました)

しかし、いざ2級の範囲に入ってみると、初見でけっこう難しい問題も混じっています。 特に商業簿記の論点は複雑なものもあって、解説が詳しくない場合などは別途講師に質問するなどの方法を取らなければ疑問点を解消できませんでした。 この解説は自分に合っていないのかも〜、とも思い始め、他のテキストへの変更を検討することにしました。

そこで試みたのが、簿記アプリやネット試験模擬問題などで評判の高い「パブロフ簿記」教材への変更でした。 総仕上げ問題集の解説もすべて「下書き」つきで解説してくれていて、難しい問題も解説を読めば理解できました。 試験の3ヶ月前には、問題集、アプリ、模擬問題とすべてを「パブロフ簿記」へ統一して勉強を進めることにしました。

パブロフ教材が優れていると思った点は、下記のとおりです。

  • 簿記アプリで仕訳特訓ができる。
  • 総仕上げ問題集は、著者の下書きつきで解法の手順が理解しやすい。試験でどのような下書きを書けば良いか理解しやすい。
  • ネット模擬試験が充実している。
  • 難易度の高い論点(税効果会計、連結会計など)に関しては、You Tube動画の解説がある。
  • 勉強している上でつまづきやすい論点は、WEBページで解説がある。

簿記2級のテキストは充実しているので、好みでどれを使っても問題ないでしょう。 ただし、近年導入されたネット試験に特化した対策を取るのであれば、パブロフ教材は非常に相性が良いと考えます。 各教材の具体的な活用法について、時系列に沿って紹介していきます。

【試験半年前】スキマ時間は簿記アプリで仕訳を特訓する

簿記の問題が解けるようになるには、商業簿記・工業簿記とも「仕訳が瞬時に書ける」ことが合格への近道です。 そこで移動中や空き時間にスマホを触れる時間があれば、パブロフの簿記アプリを起動して1問でも多く仕訳問題を解くことにしました。

pboki.com

この簿記アプリが優秀で、下記の点で重宝しました。

  • 商業簿記は難易度を1〜3段階に分けてくれている
  • ランダム、チェック問題のみなど多様な方法で総復習できる
  • 仕訳の手順を説明→勘定科目の説明と解説が充実している
  • 解説のコピペが可能で、メモアプリへと転記できる(※個人利用に限る)

まずは難易度1〜3まで順番に解いていきます。1周目は全く歯が立たなくて、大部分の問題を間違えます。 けれども、ここで挫折してはいけません。解説を読みながら、学習を続けていきます。 アプリの解説は充実していて、仕訳の考え方を説明した後、勘定科目の注意点なども詳細に掲載されています。 この解説をiPhone純正のメモ帳に転記しておき、デジタル版間違いノートとして活用していました。

アプリを何周もしていると、問題を見ただけで瞬時に仕訳が思い出されるようになってきます。 この段階まで来ると、総合問題なども格段に解きやすくなり、問題を解くスピードが一気に上がります。

やはり簿記の勉強は仕訳特訓に限ると感じました。 今ではスキマ時間に簿記アプリを起動することもなくなり、手持ち無沙汰に感じるほどになりました。

【試験3ヶ月前】総仕上げ問題集の「基礎」問題を徹底的に叩き込む

まずは総仕上げ問題集の商業簿記と工業簿記を購入して、工業簿記から順に取り組み始めました。 工業簿記の方が問題集が薄く、またパターンさえ覚えてしまえばどんどん解いていけるので、とっかかりやすかったです。 (商業・工業の得手不得手は人によるでしょうが、現行の日商簿記2級の出題範囲では、明らかに商業簿記の方が範囲が広いです。)

総仕上げ問題の中でも特に有用だったのが、難易度を「基礎」と「応用」と2種類に分けてくれていることでした。 商業簿記の第1問・仕訳問題は「基礎」「応用」関わらずすべてに目を通しましたが、他の単元は「基礎」の問題を完璧にマスターすることに時間を使いました。

理由は、120分で考えさせる問題の出題される紙の試験と比較して、ネット試験では基礎的な問題を短時間で解く方式へと変更されたという情報をキャッチしたからです。

youtu.be

応用問題を解くと基礎問題への理解が深まるので、1度は解いておくべきでしょう。けれども、中には理解にかなりの労力を要する問題もあり、ネット試験ではそこまでを要求されない場合が多いです。 そのため、難易度の高い応用問題については解けなくても解説を読む程度にとどめました。

【試験1ヶ月前】ネット模擬試験6回分を受けて実践のスピードに慣れる

試験1ヶ月前になってからは、パブロフ問題集に付録としてついている「ネット試験模擬問題」を実際にブラウザでアクセスして解いてみました。 このネット試験のUIも良くできていて、本番試験で戸惑うこともほとんどありませんでした。 (本番試験ではマイナス表記すると”△”表示となったが、違いはこれぐらいだった)

総仕上げ問題集とアプリを購入すると、商業×2回、工業×2回、アプリ各1回と合計6回分の付録がついています。 総復習の意味もあり、すべて90分の制限時間内でといてみて、70点以上を確保できるように仕上げました。

ネット模擬試験の数をこなすことによって、①90分というスピードに慣れること ②ネット試験での出題形式に慣れること ③自分の苦手な単元を知ること ができました。

【試験直前】試験直前は間違いノートの作成と見直しに時間を使う

試験数日前からは、「間違いノート」の作成と見直しに時間を使いました。 「間違いノート」には、各テキストで間違えた問題とその解法を転記していきます。 具体的には、前述した ①簿記アプリの仕訳 ②ネット模擬試験で間違えた問題 ③総仕上げ問題集の基礎単元で間違えた問題 を中心に転記しました。

「間違いノート」を作成すると、自分の苦手分野が何か明確になってきます。 私が何度もミスして苦手としていた論点は、以下の通りです。

<商業簿記>
* その他有価証券の税効果会計
* 外貨建取引の為替予約
* 有価証券の端数利息
* 利益準備金の積立
* 契約資産、保証債務など追加された細かい論点
* 連結会計のアップストリーム

<工業簿記>
* 個別原価計算(下書きを間違わず書くことが苦手)
* 製造原価報告書と損益計算書の「原価差異」の扱い

つまづきやすい単元については、パブロフ簿記のWEBサイトに注意点がまとめてあるので重宝しました。

pboki.com

【今後】日商簿記2級を取得して

日商簿記2級は独学で勉強できるギリギリのラインの試験であると感じました。 これ以上難しいとテキストや動画教材のみでの独学では厳しく、講師の存在や同じ目標を持って勉強に励む仲間がいなければ途中で挫折していたかもしれません。

資格取得によって毎日勉強する習慣も生まれ、簿記の知識が身についた以上に得られたものは大きかったです。 勉強に充てていた時間がすっぽり空いたので、次に何にチャレンジするかはゆっくり検討したいと思います。

これから簿記を勉強しようとしている方の、何かの参考になればうれしいです。

以上、お読みいただきありがとうございました。

2022/06/18