スパイスカレー・ロスを埋めるには
都内の御茶ノ水〜神田〜御徒町周辺には歴史あるスパイスカレー屋がゴロゴロしていた。
都民に愛されるカレー屋を巡ることは、私の休日の楽しみのひとつでもあった。
ところが、奈良に引越してきて、スパイスカレーの名店には気軽に行けなくなってしまった。 (当然のことである。覚悟はしていた。)
インド食材店で仕入れたスパイスはひととおり持ってきたものの、店の味をそう簡単に再現できるわけがない。
そこで引越し前に御徒町の庶民スーパー多慶屋でみつけて持ってきてたコイツを調理してみることにした。
上野デリーの味を再現したという本家公認のカレーソース。
そのお味は一体どんなものであろうか。
上野デリーとは?
ここで上野デリーを少しだけ紹介しておこう。
JR御徒町駅を出て、湯島駅方向に向かっていくと、昼時に長蛇の列に出会う。
コロナ前であれば、どの時間帯でも10人ぐらいは並んでいるのが常だった。
歴史は古く、昭和31年頃(1956年)というから驚きだ。
当時の創業者が、インド・パキスタンのカレーに心を打たれて始まったという。
戦後間もない頃に、インドのカレーを日本に広めようとしたその心意気に感嘆する。
では肝心のカレーはというと、サラサラしたスープカレーのような風合いで、
辛さがカレーの種類によって選べるようになっている。
特にあまりに激辛で病みつきになるカシミールカレーは有名である。
これを別皿で盛ってくるごはんにかけて食べると、辛くてたまらないのにどんどん食いたくなる。
デリーカレーの説明はここまで。 この独特のスパイシーさを何処まで表現できているのかが今回の気になるところであった。
ナスチキンカレーとして調理してみる
それではパッケージを開けて調理を始めてみよう。
▲カレーソースのパッケージ
本店では具材は鶏肉とじゃがいもだったが、ここはあえてナスとしめじでアレンジしてみることにした。
今回はカシミールカレー(辛さ;★★★★★)ではなく、インドカレー(辛さ;★★★)のソースで作る。
カレーソースは煮込むとスパイスの風味が失われるため、絶対に煮込むなと書いてある。
煮込まないカレーとは新鮮である。お店の完成品に手を加えるなということみたいだ。
そこで、先に野菜と肉を炒めて仕上げてからソースを絡ませることにした。
鶏もも肉に塩コショウをまぶしておく
ナスとシメジを適度にカットする
フライパンに油を入れて、2の野菜を炒める
ナスに油が移ってきたら、鶏肉も合わせて炒める
煮込まないため、この段階で鶏肉には十分に火を通す
カレーソースを入れて、沸騰する手前で火を止める
お店と同じように、ごはんとカレーを別皿で盛ってみる。 さて、上野公園に遊びに来たような気分でいただくとしよう。
スパイスの香りは十分で美味しく仕上がった
期待に胸をふくらませ、一口食べてみるとあの懐かしい辛味が舌に飛び込んでくる。
「・・・これはもう上野のデリーに出向かなくてもいいかもしれない。」
ナスとしめじの組み合わせも悪くなく、どんどんご飯が進んでいく。 ソースもレトルトとは思えず、美味しくいただきました。 でもやっぱり定番の具材で作るなら、じゃがいもと肉がいいかもしれない。
家カレーでも十分だと強がってみたものの、やっぱりいつかは本店へ行きたいですね。 通販もできるみたいなので、また食べたくなったら試します。