映画『コーダあいのうた』をみてきた。 主演のエミリア・ジョーンズの歌が伸びやかですばらしく、また登場する名曲の数々も楽しく、前評判通りの爽快な感動作だった。
ハイライトは、最後に家族に向かって歌われる「Both Sides Now」だろうか。 以前から好きだったジョニ・ミッチェルの名曲が、映画をみたことでさらに好きになった。
「Both Sides Now」の歌詞に沿って、映画の感想を振り返ってみる。
続きを読む映画『コーダあいのうた』をみてきた。 主演のエミリア・ジョーンズの歌が伸びやかですばらしく、また登場する名曲の数々も楽しく、前評判通りの爽快な感動作だった。
ハイライトは、最後に家族に向かって歌われる「Both Sides Now」だろうか。 以前から好きだったジョニ・ミッチェルの名曲が、映画をみたことでさらに好きになった。
「Both Sides Now」の歌詞に沿って、映画の感想を振り返ってみる。
続きを読む発売前から楽しみにしていた1冊だ。
毎日の10分間Voicyも絶好調なちきりん氏による、「現代を生きぬくための根幹の能力」を解説するベストセラーシリーズ。 最新作であり、4部作の完結作。
まるで自らのノウハウの手の内を明かすかのように「自分の意見を言うこと」に関してわかりやすく説明してくれていて、あっという間に1冊読めてしまった。
続きを読む昨年末、大阪市立美術館で開催中だった「メトロポリタン美術館展-西洋絵画の500年-」へ行ってきた。
メトロポリタン美術館(THE MET)が所蔵する2500点以上の西洋絵画の中から、選りすぐりの65点を展示。そのうち46点は日本初公開という貴重な展覧会。
メジャーリーグのオールスターたちが、(初来日を含めて)一挙に日本にやってくる!!みたいな感じでしょうか。これは見逃せまい。
展示会へ行ってよかったことは、西洋美術の宗教画の楽しみ方がわかってきたということ。西洋絵画というと、中世までは聖書の一場面を描いた宗教画が主流で、「とっつきにくいなぁ」という印象だった。
けれども、16世紀、17世紀の絵画でも目の前に立って細部まで眺めてみると、その表現の緻密さというか、素人でもわかる画家の力量に驚かされた。これはきっとネットや写真でコピーされた絵画を見ているだけでは気づかない。「本物を前にすることの凄み」が伝わってきた。
なるほど。これが名画たる所以なのか、と。
「選りすぐりの65点」ということで、本場の魅力をギュッと凝縮して届けられており、コアな美術ファンでなくとも十分楽しめる内容になっている。
大阪市立美術館での展示は終わってしまったが、2月からは東京国立新美術館での展示もある。未体験の方はぜひともこちらで行ってほしい。
以下、鑑賞前に参考になればというトピックスを掲載しておく。
若手オランダ出身ジャーナリスト、ノンフィクション作家であるルトガー・ブレグマン氏の世界的ベストセラーである。 発売されるやいなや日本の著名人たちも絶賛していて、(それに対する批判のコメントなども溢れていて)、賛否両論のワケが気になってしまい、結局ざっと読んでしまった。
本書のメッセージはシンプルで、「ほとんどの人は、本質的にかなり善良だ」という性善説を肯定しようというものだ。 これまでに性悪説の裏付けとされてきた、「蝿の王」「スタンフォード監獄実験」「ミルグラムの電気ショック実験」などが恣意的に導かれた結論だったことを解き明かしつつ、善き未来をつくるための「新しい現実主義」を提唱する。
と本の大筋は理解できたものの、読んでいてなんだかしっくりこない章もある。 「隣人を信じるべき」とする提言が、キリスト教主義の学校で教わるような、「優等生すぎるテーマ」だからかもしれない。
そりゃあ”いい人たち”で溢れる社会の方が理想的であるし、私たちはずっと生きやすいだろう。 仮説とするには当たり前すぎるテーマではないか、と。
そこで私は、対象を「個人」から「集団」へと、視点をズラして著者の提言を消化しようとした。 きっと前評判から本書を読もうか迷っている人もいると思うので、この記事が何かの参考になれば嬉しい。
続きを読む新年あけましておめでとうございます。
寒波の襲う元旦となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
大晦日、紅白歌合戦では藤井風さんが数々のサプライズで、まさに「風のように」日本中の視線をさらっていたのが印象的でした。 ちょうど私よりひと回り下の世代ですが、このような才能を持った人が突如として現れ、ピアノ1本で勝負してベテラン勢の伝統的なパフォーマンスを置き去りにしてしまう。そんな次世代の凄みをみたという感じでした。
さて私はというと、元旦から近所の春日神社と橿原神宮へ出かけて参りました。
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もうかれこれ2年ぐらい、移動中にはVoicyを聴くことが習慣になっている。 プラットフォームの成長とともに気になるパーソナリティーも増え続け、最近では「聴く放送を絞ること」の方が難しくなっているうれしい状況だ。
本日アプリを開くと、「2021年あなたがVoicyと過ごした時間は何時間?」と題したお知らせが届いたのでタップしてみると、下記の通り表示された。
視聴時間を1日平均1時間とすると、実に年間約200日分もお世話になっている計算である。 「いかに習慣になっているか」を数字で知って、驚いてしまった。
ボイスメディアは他にもApple Podcastやstand.fmなどあるが、正直なところVoicyが個性では突出していると感じている。1チャプター10分という飽きのこない再生時間、登録しているパーソナリティーを更新順に自動放送していくシームレスな再生、著名人から専門家まで幅広い人たちの”日常の声”が届けられるというコンセプト。どれも気に入っていて、いつの間にかまたアプリを再生してしまう。
ただ最近になって、ただ聞き流すだけではもったいないなと感じるようになった。 人に話そうとして、放送の内容を思い出そうとしても、聴いているだけでは頭に残らないのだ。 そういうわけで、備忘録も兼ねておもしろかった放送回をピックアップをはじめてみることにする。
12月はまだ終わっていないものの、選定のくくりは2021年11月〜12月とした。
2021年は、私にとって読書習慣を変えた年だった。
昨年までは読んだ本のアウトプット場所としては、読書会を活用していた。 課題本などには取り組まず、テーマフリーの読書会を中心に、自由に読みたい本を選んでいた。読書会は隔週で、それを期限に1冊の本を読み終え、読書好きな方々とおしゃべりする感覚で参加していた。
ところが、2021年春に東京から奈良へ引越すことになり、仕事も生活もガラリと変わり、読書コミュニティーもすぐには見つからず。 そんな中で、「読書習慣を続ける手段」として、ブログ書評を残してみることにした。
今までどおり隔週に1冊ほどのペースなので、更新できた記事は決して多くはない。 本を読み終えて「いざ書こう」と思っても、「なにがおもしろかったのか」「どんな発見があったのか」は、頭の中ではほとんど整理できていなかった。
本の中身を咀嚼し、自らの思考や経験と結びつけるには、それなりの時間がかかるのだ。 けれども、ひとつの記事にしてみることで、著者と対話ができたような気がして、”ただ読んだだけ”の読書にはない達成感も味わえた。
そんなわけで、来年からも「ブログで書評を書く」習慣は、続けていこうと思う。 一人で記事を書く作業はなかなか孤独なもので、以前のように読書会に参加したいなと思うこともある。 「読んだ本について書くこと」「読んだ本について話すこと」は、それぞれに違った魅力があるのだろう。
前置きが長くなったが、2021年読んでよかった本をピックアップしてみる。