街行き村行き

明日あたりは、きっと山行き

【初詣】2022年を漢字一文字で表すと…

新年あけましておめでとうございます。
寒波の襲う元旦となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

大晦日、紅白歌合戦では藤井風さんが数々のサプライズで、まさに「風のように」日本中の視線をさらっていたのが印象的でした。 ちょうど私よりひと回り下の世代ですが、このような才能を持った人が突如として現れ、ピアノ1本で勝負してベテラン勢の伝統的なパフォーマンスを置き去りにしてしまう。そんな次世代の凄みをみたという感じでした。

さて私はというと、元旦から近所の春日神社と橿原神宮へ出かけて参りました。

寅年

続きを読む

【全10選】聴いてよかったVoicy配信【2021年11月-12月】

f:id:MachiMura:20211226095243j:plain

もうかれこれ2年ぐらい、移動中にはVoicyを聴くことが習慣になっている。 プラットフォームの成長とともに気になるパーソナリティーも増え続け、最近では「聴く放送を絞ること」の方が難しくなっているうれしい状況だ。

本日アプリを開くと、「2021年あなたがVoicyと過ごした時間は何時間?」と題したお知らせが届いたのでタップしてみると、下記の通り表示された。

f:id:MachiMura:20211226095335p:plain

視聴時間を1日平均1時間とすると、実に年間約200日分もお世話になっている計算である。 「いかに習慣になっているか」を数字で知って、驚いてしまった。

ボイスメディアは他にもApple Podcastやstand.fmなどあるが、正直なところVoicyが個性では突出していると感じている。1チャプター10分という飽きのこない再生時間、登録しているパーソナリティーを更新順に自動放送していくシームレスな再生、著名人から専門家まで幅広い人たちの”日常の声”が届けられるというコンセプト。どれも気に入っていて、いつの間にかまたアプリを再生してしまう。

ただ最近になって、ただ聞き流すだけではもったいないなと感じるようになった。 人に話そうとして、放送の内容を思い出そうとしても、聴いているだけでは頭に残らないのだ。 そういうわけで、備忘録も兼ねておもしろかった放送回をピックアップをはじめてみることにする。

12月はまだ終わっていないものの、選定のくくりは2021年11月〜12月とした。

  • 読書
    • 797 若い頃にはまった本 - @dongurifm
    • #28 玉置真波さん対談4 日本の名著を世界へ! - 土方奈美(翻訳家) @NamiHijikata
    • 『知識人とは何か』エドワード・W・サイード1 ,2 - 荒木博行
  • 時事ネタ、ニュース
    • #825 社会保険料じゃなくて社会保険税 - ワーママはる @wa_mamaharu
    • 2021/11/16 #405 日本の金融業界が抱える大きなリスク - ちきりん @InsideCHIKIRIN
    • 2021/12/20 #0125 薬が日本にこなくなる日【1】【2】 - 木下斉 一般社団法人AIA代表理事/内閣府地域活性化伝道師 @shoutengai
    • 12月24日 オミクロンに関するテレビ報道は偏ってないか!? - 伊藤洋介
  • 思想、社会
    • 【特別編】財閥の歴史 〜日本の近代化を担った老舗たちの系譜〜(前編)(後編)【COTEN RADIO】 - 歴史を面白く学ぶコテンラジオ(COTEN RADIO)
    • 我慢に我慢を重ねるくせに、最後になぜか暴走する日本人 - 佐々木俊尚 @sasakitoshinao
  • 経営、投資
    • 現役VC個人の投資ポートフォリオと資産運用 - 朝倉 祐介 @Jockey723
続きを読む

【ベスト5冊】2021年今年読んでよかった本

f:id:MachiMura:20211219212823p:plain

2021年は、私にとって読書習慣を変えた年だった。

昨年までは読んだ本のアウトプット場所としては、読書会を活用していた。 課題本などには取り組まず、テーマフリーの読書会を中心に、自由に読みたい本を選んでいた。読書会は隔週で、それを期限に1冊の本を読み終え、読書好きな方々とおしゃべりする感覚で参加していた。

ところが、2021年春に東京から奈良へ引越すことになり、仕事も生活もガラリと変わり、読書コミュニティーもすぐには見つからず。 そんな中で、「読書習慣を続ける手段」として、ブログ書評を残してみることにした。

今までどおり隔週に1冊ほどのペースなので、更新できた記事は決して多くはない。 本を読み終えて「いざ書こう」と思っても、「なにがおもしろかったのか」「どんな発見があったのか」は、頭の中ではほとんど整理できていなかった。

本の中身を咀嚼し、自らの思考や経験と結びつけるには、それなりの時間がかかるのだ。 けれども、ひとつの記事にしてみることで、著者と対話ができたような気がして、”ただ読んだだけ”の読書にはない達成感も味わえた。

そんなわけで、来年からも「ブログで書評を書く」習慣は、続けていこうと思う。 一人で記事を書く作業はなかなか孤独なもので、以前のように読書会に参加したいなと思うこともある。 「読んだ本について書くこと」「読んだ本について話すこと」は、それぞれに違った魅力があるのだろう。

前置きが長くなったが、2021年読んでよかった本をピックアップしてみる。

  • 三体Ⅱ 黒暗森林(劉慈欣)
  • 人新世の「資本論」(斎藤 幸平)
  • クララとお日さま(カズオ・イシグロ)
  • ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか(ピーター・ティール)
  • 地球の未来のため僕が決断したこと 気候大災害は防げる(ビル・ゲイツ)
続きを読む

【破滅的な芸術家の一生】楽園への道(マリオ・バルガス=リョサ ・著、田村 さと子・訳)

ポール・ゴーギャンはフィンセント・ファン・ゴッホと並ぶポスト印象派のフランス人画家として世界的に知られている。けれども名画の輝きとは対照的に、その生涯は破滅的な一途をたどるものだった。

本書はゴーギャンと、その祖母である革命家フローラ・トリスタンの生涯を追った物語である。 著者はラテンアメリカ文学の旗手であり、2010年にノーベル文学賞を受賞したマリオ・バルガス=リョサ。 フローラの没後にゴーギャンが生まれており、ふたりは存命中に知り合うことはなかったが、”人生の楽園を求めて旅をした”という点では、生き方に共通している部分がある。 リョサはこの点に注目して、奇数章ではフローラ・トリスタンを、偶数章ではポール・ゴーギャンを取り上げてひとつの物語を編纂した。

タヒチにゴーギャンの楽園はあったか

ゴーギャンは30代の半ばまで株式仲買人の仕事をしており、妻メットと5人の子をもつ裕福な家庭を築いていた。 当時は「ブルジョワ」と呼ばれる身分であったが、友人に絵を描くことを習い始めたことをきっかけに美学芸術へと傾倒していく。”絵を描くこと”に夢中になった彼は、仕事と家族を捨てて無一文なジプシー画家となり、”芸術家にとっての楽園”を目指して放浪の旅をはじめる。 パリからアルルへ移り、ゴッホと共同生活を始めるがうまくいかず、やがては活動の場を南太平洋諸島フランス領のタヒチ島に移して暮らすようになる。

続きを読む

【気候変動問題のファクトフルネス】地球の未来のため僕が決断したこと(ビル・ゲイツ・著、山田文・訳)

ビル・ゲイツ20年ぶりの著作が出版された。 COP26開催のニュースが報じられる中、気候変動問題はいま最もタイムリーなテーマである。 しかし、議論が拡散するたびに”何が本質的な問題なのか”を見失いがちにもなる。 本書は、現状の課題をできる限り客観的に数値化して、ファクトを見極め、各分野において”技術による解決策”を論じていく。
まさに「ファクトフルネス -気候変動問題編- 」と呼べるような内容である。

彼はマイクロソフトで「世界中の家庭にコンピュータを」という果てしない野望を達成したときと同じように、気候変動問題についても取り組もうとしていた。

知っておくべき数値

気候変動について知っておくべき数字がふたつある。
ひとつが510億。もうひとつがゼロだ。

本書の冒頭の一文であり、最も印象に残るメッセージだ。

続きを読む

【日帰りハイキング】曽爾高原へススキをみにいこう

10月中旬から気温が急激に落ちて、秋らしい気候になってきました。 紅葉シーズンにはまだちと早いが、季節を感じる景色は味わいたい。 そんな希望を叶えるため、ススキが見頃を迎えた曽爾高原へ行ってみることにしました。

f:id:MachiMura:20211031093351j:plain

【歩いて片道40分】ファームガーデンから曽爾高原へ

橿原市から車で1時間ほど。 公式HPには、大阪からは1時間50分、名古屋からは2時間40分とあります。

曽爾高原ファームガーデンに着くと、ソフトクリームを持ったマスコットが出迎えてくれます。 この場所は駐車場も比較的広く、車を停めるスペースは十分にあります。

f:id:MachiMura:20211031092903j:plain

ファームガーデンに着いたのは昼の14時頃だったでしょうか。 ススキ高原入口は野口駐車場が近いのですが、こちらは休日は大混雑ということでファーマーズガーデンから歩いてみることにしました。 グーグルマップによると、片道2.4km/40分。 がんばるぞ!

続きを読む

【忘れられた歴史的フェスのドキュメントをみた】サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)

ブラックミュージックのドキュメンタリー映画が全国ロードショーなんて、いつぶりだろうか。 わざわざ京都や大阪に出向かずとも近所で上映されるということで、サクッと観に行ってきた。

時代はウッドストック・フェスティバルの行われた1969年夏。ジミヘンがアメリカ国家を自慢のストラトでかき鳴らしていたころのこと。 ニューヨーク・ハーレムでは黒人ミュージシャンのスターたちが集結し、30万人を動員するとんでもない無料開放フェスが行われていた。

フェスの名は「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」。
監督は「クエスト・ラブ」。

これだけの内容で、音楽ファンとしては見過ごすわけにはいかなかった。

▼映画チラシ

f:id:MachiMura:20211024103231j:plainf:id:MachiMura:20211024103234j:plain

スライ・ストーンとニーナ・シモン

まずは予告編をみてほしい。 ニーナ・シモンのポエットリーディングに対して、呼応する観客たちが異様な熱気を帯びている。

続きを読む